闇を祓う者、上月一族。祐介はその中でも最強と謳われた戦士だった。
だが、度重なる邪悪なる者との戦いに心身は蝕まれ、余命はわずかだった。
一族の長老は、そんな祐介に安らかな余生を送らせたいと、 彼に一人の少女を世話係としてあてがい、安らかな生活に送り出した。
少女と二人きりの生活が続き、その淋しさにも耐えられなくなってきた頃、 従姉の紗夜子に、彼女が管理人を勤める「雲雀屋敷」へ来ないかと誘われる。
そこで彼は初めて、家族の温かさというものを知り、人生最後の物語を記してゆく。
終わることのない哀しみを、そっと抱えたまま・・。